先輩ママからの声で1位2位を争うくらい多いのが「向きグセをつくらなければよかった」というもの。
頭の形や発達にも影響が出る場合もある「向きグセ」。
この記事は、向きグセと頭のかたちによる赤ちゃんへの影響と簡単にできる向きグセをつくらないコツを紹介します。
「向きグセ」とはどのような状態?
「向きグセ」とは赤ちゃんが寝ている時や抱っこしている時に、頭がいつも同じ方向を向いている状態のことを言います。特に、長時間頭を動かさずにいる睡眠時にクセがつきやすいです。
赤ちゃんの頭は、出産時に母親の産道をスムーズに通れるようにとても柔らかくなっており、長時間の仰向け寝による後頭部や、毎回左右どちらかに傾いた状態にさせてしまうと、そこの一部だけに圧力がかかり頭のかたちが歪んでしまいます。
向きグセによる頭の歪みは3つ種類があります。
3種類の向きグセによる頭の歪み
斜頭症
赤ちゃんの頭を上から見た時に、頭部が左右対称ではなく片側が斜めに歪んでいる状態。お腹の中にいた時の向きや出産時でもなる場合があります。
長頭症
頭が縦に長く伸びている状態や、後頭部が大きく突き出ている状態。赤ちゃんを長期間横向きに寝かせることで頭のかたちが変形し、縦に長くなってしまうことがあります。吸引分娩など出産時の処置によって引き起こるケースも。
短頭症
後頭部が広く平らになり、頭のかたちが左右に広がっている状態。「絶壁」がこの症状に当てはまり、硬い寝床などでの仰向け寝でなりやすいです。
向きグセによる影響とは?
頭の歪みが強いと、先天性の病気に気付けなかったり、運動や神経発達の遅れが見られた例が複数報告されているそうです。
また、歪みが進行すると、目や耳の位置が左右で非対称になったり、前頭が斜めになると頬部が出っ張ってしまうなど頭部だけでなく顔面にも影響が出てしまいます。メガネがうまくかけられなかったり、帽子・ヘルメットが被れなかったりなど、目に見える歪みがあると見た目のコンプレックスを抱えてしまうかもしれません。
一度頭のかたちが歪んでしまうと赤ちゃんは寝やすい方向ばかり向いて寝てしまい、その影響で向きグセがますます強くなります。頭蓋骨は6か月頃から次第に固まっていくため、頭のかたちが定まってからだと自然に治すのは難しくなってしまいます。
頭の歪みが向きグセによるものだと推測される場合それほど問題ないのでは?と思いがちですが、頭の歪みが強いまま成長すると将来的な発達過程にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があるので早めに対策をしましょう。
向きグセをつくらないコツ
赤ちゃんの向きグセがつかないようにパパママが日中も夜もずっと見守るというのは、寝不足やストレスにもなるので辛いですよね。そこで簡単にできる向きグセを作らないコツをご紹介します。
授乳ごとに顔の向きを変える
月齢が浅いうちは授乳ごとに顔の向きを変えてみましょう。
向きグセが強い赤ちゃんの場合は、向きグセ方向は横抱きにし反対方向はフットボール抱きで授乳してみましょう。
ミルクの場合は抱き方向を左右交互に変えるなど、毎回同じ向きでミルクをあげないように気をつけましょう。
添い乳も、頭が接しているところが歪んでしまうので、毎回同じおっぱいからではなく反対の向きからもあげるように意識しましょう。
抱っこの方向を変える
横抱きの際はつい大人の利き腕など抱っこしやすい方向にしがちです。左右向きを変えるなど抱っこの仕方を工夫することで向きグセの改善と予防に繋がります。横抱きだけではなく、縦抱きなど色々な抱っこの仕方をしてみましょう。
また、横抱きをするときは、手首付近の骨張ったところではなくやわらかい肘の裏あたりに頭が来るようにするなど頭の置く位置も意識しましょう。
寝かせ方を工夫する
赤ちゃんは明るい方向や音のする方向、大好きな家族のいる方向に興味を示し顔を向けるので、向きグセの反対側から話しかける・向きグセの反対方向にパパやママが寝て、向きグセの方には壁しか無いというような状況をつくるなど、向きグセの反対の方に楽しいことがあるような環境づくりを心がけましょう。
他にも、向きグセがある方の体の下に折りたたんだタオルなどを入れて高さを出し、体が少し持ち上がるようにする方法もあります。例えば、右を向くクセがあるなら右側の頭や体の下にタオルを入れます。そうすると傾斜があることで左足が外側に開きやすくなり、右を向きすぎる状態が少し軽減され正面や左側を向きやすくなります。
うつ伏せ遊びをする(タミータイム)
赤ちゃんの首が座ったら、赤ちゃんをうつ伏せにさせることで向きグセ・頭のかたちの改善を図ることもできます。
うつ伏せにしてあげることで、赤ちゃんの頭が地面に着く時間を減らします。
うつ伏せは乳児突然死症候群 (SIDS) を起こす可能性があるので、終始必ず大人が見ているところで安全に注意しながら行いましょう。決してうつ伏せの状態で赤ちゃんから離れることがないように、離れるときは仰向けに戻すことを心がけましょう。
また、窒息のリスクを避けるため、鼻と口が塞がりやすい柔らかい布団やマットの上は避け、周りに布や枕など顔が埋まってしまいやすい物がないように注意することも大切です。
ドーナツ枕を使う
赤ちゃんの頭の歪み対策として赤ちゃん用のドーナツ枕を使うのもおすすめです。ドーナツ枕は後頭部がくぼんでいるため、頭が固定され自然と後頭部に丸みをもたらしてくれます。
付属のインサートを使うことで枕の高さ・向きが調整可能で、赤ちゃんひとりひとりの頭のかたちや向きグセに合わせて調整することができます。
絶壁頭予防枕の「GioPillow(ジオピロー)」もおすすめです。
長年、乳幼児の頭蓋形状矯正に携わってきたメーカーが技術とデータ、ママたちの声から開発された枕で、赤ちゃんの柔らかい頭を科学的に支えます。複数の層からなる3Dメッシュ構造なので高い通気性で、頭のムレや窒息事故も予防します。
まとめ
赤ちゃんの成長は待ったなしで、発達は毎日の積み重ねです。向きグセは一度ついてしまうと治すのが大変なので、気になる方・予防したい方はなるべく早く対応しましょう。
頭の歪みは向きグセが原因ではなく病気が潜んでいる場合もあるので、もしひどい歪みがある場合は専門家に相談しましょう。
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